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龍王陛下に𠮟られるから

『Fate the 9th contract』vol.1

stage.01 第九の契約



 ほの暗い礼拝堂に乾いた音が響いた。

「――気安く触らないで」

 続いて響いた少女の怜悧な声。
 そこに。
 男の低い笑い声が重なった。
「何がおかしいのよ、綺礼?」
「いやなに……随分とじゃじゃ馬に育ったものだと思ってな」
「後見人のアンタが言えた義理?」
 少女の声があくまで冷ややかなのに対し。
 男の声はどこか馴れ馴れしい響きだった。
「たしかに私は君の後見人だが、君の一挙手一投足まで面倒を見ろとは時臣師からことづかっていないものでね」
「当然でしょ。アンタに習うことなんてこれっぽっちもないわ」
 少女のものらしい軽い靴音が礼拝堂の出口へと向かう。
「凛」
 男が少女を呼び止めた。
 かつん、と少女の足音が止まる。
「令呪が宿ったとはいえ、まだ棄権の余地はある。教会を訪ねてくれれば、監督役の名のもとに君の安全を保障しよう。なにせ、君は――」
 男はもったいぶった調子で語り続ける。
「――遠坂家の六代目。継嗣もいないのにみすみす若い命を散らすのは、あまりに不憫だ」
 少女の瞳に。
 刹那、形容しがたい感情が宿る。
 憤怒か、悲哀か――或いはそのような名で呼ぶことすらおこがましい、凝縮した激情。
「……父さんを、守れなかったくせに……」
 少女がようやく搾り出した言葉を。
 男はあえなく無視した。
 幸か不幸か、そのような男の態度は少女にとって慣れ親しんだものだった。
 だから――。
 少女はすぐに平素通りの瞳の輝きを取り戻し、男に向かって言い放った。
「馬鹿言わないで。このわたしが負けるわけないでしょう?」
 少女は腰に手を当てて見得を切る。
「わたしは遠坂家現当主、遠坂凛よ。聖杯を手にする資格があるのは、わたしだけだわ」
 くっと男が笑う。
 少女は男を睨みつける。
「勇ましいことだな」
「今度そういう面白くない冗談を言ったら――綺礼、アンタを的にしてガンドの練習をしてやるから」
「……やれやれ」
 言うだけ言うと、少女は足早に建物の外に出て、ばんッと勢い良く扉を閉めた。
 男は徐にベンチに腰掛けて。
 頭上を仰いだ。
「のぞき見か、ギルガメッシュ?」
 二階の手すりにだらしなくもたれた黄金のサーヴァントは。

 ――嗤っていた。

 小刻みに肩を震わせていたギルガメッシュは、物憂げに身を起こして手すりに頬杖をつく。
 その顔に張り付いているのは、
 凶悪と言っても差し支えない笑み。
「言峰」
 そのしなやかな指が、戸口を指し示す。
「何だ、アレは?」
 言峰綺礼は大仰に肩をすくめる。
「おや。おまえは初めてだったか?」
 いつもなら気に食わぬ綺礼の芝居がかった仕草も、今のギルガメッシュには気にならなかった。
 それだけ――。
 最前の光景は黄金のサーヴァントのこころを捕らえていた。
 それを知ってか知らずか、綺礼は笑みを深めて続けた。
「遠坂凛。時臣師の娘だ」
「言峰。お前はいつから冗談を好むようになったのだ?」
「あの娘自身が名乗っていただろう。彼女は正真正銘、まぎれもなく、遠坂家六代目当主。時臣師と奥方の間に生まれた、遠坂の血を継ぐものだよ」
「……ふ。フフ」
 しんとした静寂を破るように。
 ギルガメッシュの哄笑が響き渡った。

「――なんだ、ソレは」

 興味は即座に怒りに変換され、マスターたる男にぶつけられた。
 燃え立つ赤眼に見下ろされても、綺礼に動じた様子はない。
 サーヴァントの八つ当たりには慣れていた。
「何、とは?」
 膝の上でゆったりと手を組み、神父は王を見上げる。
「時臣の娘だと? ――我は何も聞いていない」
「訊かなかった、の間違いではないのか?」
「臣の分際で王たる我に妻子を秘していたということか。時臣め……どこまで我を愚弄すれば気が済むのだ」
 綺礼の視線は静謐だった。
 対照的に。
 口調は多分に皮肉を含んでいた。
「“つまらぬ男”の娘だぞ? 十年前のおまえが興味を持ったとは、到底思えんな」
「それを決めるのはお前ではなく我だ」
 ――言峰。
 王たるものの声が礼拝堂の闇を鋭く裂いた。
「或いはお前も同罪であるぞ? 亡き師への忠義立てとしては、少々度が過ぎているのではないか」
 綺礼は短くため息をつき。
 ギルガメッシュから視線を逸らした。
「時臣師の遺言には、凛とおまえを会わせてはならない、などという項目はない。そもそもおまえは座に還っていて然るべきサーヴァントだろう。おまえが受肉してこの世に居座るなどという発想が、我が師にできると思うか?」
 綺礼は指を組み替え。
 底知れぬ暗い笑みを浮かべた。
「……むしろ、時臣師に関することを積極的に避けていたのはおまえの方ではないのか」
 葬儀に顔を出さず。
 敷地内にある墓には目もくれず。
 遠坂邸にも決して近寄ることはなかった。
 ――この十年間。
「僭越であるぞ、言峰。知ったような口を叩くな」
「これは失礼した、英雄王。私にはそう見えたというだけだ。気にするな」
「フン。わかれば良い」
 ふい、とギルガメッシュはきびすを返す。
 その後姿を。
 綺礼は暗い眼差しで見送った。



 ――行ってらっしゃいませ、お父様。

 十年前。
 そう言って、父を見送った。

 ――それでは行くが。後の事は解っているな。
 ――はい。
 ――行ってらっしゃいませ、お父様。

 そう言って。
 父を見送った。

 ――行ってらっしゃいませ、お父様。

 帰って来た父は物言わぬ骸で。
 いつの間にか病院に運ばれていた母は頭がおかしくなっていた。
 十年前。
 何もかも。
 遠坂凛を取り巻く日常と呼ばれるものは、何もかも壊れてしまった。
 十年前の、あの日。
 禅城の家に訪れた父を引き止めていたら――。
 或いは、別の未来もあったのだろうか。
 父も母も失わずに済んだのだろうか。
 ――否。
 その仮定はあまりに無益だ。
 娘に引き止められたからといって戦を投げ出すような父ではなかったし、凛とてそんな父の邪魔になるようなことなど死んでもするつもりはなかった。
 だから。
 父を見送ったあの日が。
 父と最後に会った日になることは、不可避である。

 ――凛。
 ――いずれ聖杯は現れる。

 無意識に服の上から腕の令呪に触れる。
 父の言葉は現実になった。
 半世紀経たねば満たされないはずの杯が――まるで前回の仕切り直しだと言わんばかりに――十年という短期間で満たされた。
 凛は確信している。
 今、このタイミングで令呪が割り振られ、五回目の聖杯戦争が始まろうとしているのは。
 父に為せなかったことを、娘である己が果たさねばならぬから。

 ――アレを手に入れるのは遠坂の義務であり、
 ――何より、
 ――魔術師であろうとするのなら、避けては通れない道だ。

 弔い合戦、などと殊勝なことを言うつもりはないが。
 父の無念を晴らせるならば、それは凛にとって喜ぶべきことだった。
「――綺礼! 来たわよ」
 扉を開いて、凛は無遠慮に声を掛ける。主が奥に引っ込んでいる場合、こうでもしなければ聞こえないのだ。
「綺礼! 来てやったわよッ!」
 苛立ち混じりに神父の名を呼ぶ。
 昨日の今日で呼び出されるとは思ってもいなかったので、凛の機嫌は悪い。用事があるなら昨日の内に全て話しておけば良いものを――。
 今朝になってから、あの神父は悪びれもせず教会に来いと言って来たのだ。
 しかも電話では話せぬ大切な用件であるらしい。
 何故そんな大切なことを昨日言い忘れたのかと小一時間ほど問い詰めたかったわけだが、あまりに不毛なので止めた。どうせ適当にはぐらかされるだけである。
 言峰綺礼とはそういう男だ。
 何故父はあんな男を弟子にしたのか――今もって謎である。
 もっとも。
 父は綺礼個人を見初めて弟子にしたわけではなく、綺礼の父と親交があって、その誼で弟子にしたのだと聞いている。綺礼の父は璃正という名で、綺礼とは似ても似つかぬ人の好い老紳士だった。遠坂家に訪れた際に凛をかまってくれたのでよく覚えている。まさに、絵に描いたような“神父”。
 それに比べて。
 我が兄弟子の生臭っぷりときたら。
「……なんなのよ、いったい」
 私室にもいない。
 ひとのことを呼び出しておいて、これである。
「なんだってのよ――ッ」
 苛立ちと共に扉を閉めた凛は、くるりときびすを返す。
 ――こうなったら、徹底的に家探ししてやる。
 凛はそそくさと隣の扉の前に移動し。
 躊躇なく開けた。
「……ハズレか」
 空き室。
 その隣も。
 その更に隣も。
 ――この教会は。
 神父ひとりに対して、部屋数が多過ぎやしないか。ホテルを兼業していてもおかしくないほどの広さである。
 壁に背を預け、凛はしばし考え込む。
 ここは。
 ここは、もしかしたら。
 もっとたくさんの人間が住むための――。
 例えば、そう。
 孤児院のような――。
 そう思うと、俄然そのように見えてくるから不思議だ。
 凛は壁から身を起こし、廊下を走りぬける。
 ――ここも。
 扉を開き、閉める。
 ここも、ここも、ここも、ここも、ここも。
 今すぐ誰かが泊まろうと思えば泊まれるようになっている。
 一時の興奮は既に醒め、無表情になって扉を閉める。
 凛の記憶が確かならば。
 ここは、この教会は、一度だって孤児院の役割を果たしたことはない。神父は一年のほとんどを海外で過ごすので、子どもらの面倒を見る者がいない。凛がいつ来ても、ここはあのいけ好かない神父がひとりきり。
 それが当たり前だと思っていた。
 だというのに。
 これは何の冗談だろうか。
 凛はゆっくりとドアノブから手を離す――。
 その、手首を。
「――ッ」
 見知らぬ男がつかんだ。
 慌てて引っ込めようにも男の力の方が勝っていて、凛の右手は宙で小刻みに震えた。

「――何をしている?」

 その声は、低く、深く。
 それ以上に、圧倒的な質量をもって脳髄を侵す。
「……、……」
 発したはずの声は、声になっておらず。
 凛は絶望的に己の右手をつかむものを見上げる。
 ――畏い。
 それは。
 圧倒的な存在。
 圧倒的な恐怖。
 圧倒的なまでの、
「何をしている、小娘?」
 凛は。
 勢い良く右手を振り払った。
「ッ、なに――」
「貴方こそ誰なの? ここは言峰神父の教会。不法侵入だったら訴えるわよ」
「……フン」
 振り払われた手をポケットに突っ込み、ギルガメッシュはせせら笑った。
「言峰の許可は得ている故、不法侵入ではない。お前こそ、主の不在の最中に家探しとは、盗人と間違われても申し開きできぬぞ」
「主の不在……?」
 ぽかんと口を開けた凛に、何故か気を良くしたギルガメッシュが饒舌に語る。
「今宵は珍しく出かけて行ったが。いつ戻るとも聞いておらん。まあ、あやつのことだから、どこかに行ったきり数週間、或いは数ヶ月帰って来ないのもよくあることだ。いっそ永久に帰って来なければ良いものを」
 何が面白いのか、ギルガメッシュは腹をかかえて笑う。
「……アンタ、何者?」
 凛の胡散臭そうな視線に、ギルガメッシュはふと笑みを消す。
「……」
 赤眼で虚空を睨みすえた後。
 ギルガメッシュはフンと鼻を鳴らした。
「……世の中には知って良いことと、知れば命を落とすことがある。故に名乗ることはできんな」
「はあ?」
「とはいえ、ナナシのままでは何かと不便であろうから……そうだな。“ギル”と呼ぶが良い。それが我の愛称だ」
「……?」
 わけもわからず肯く凛の鼻先に、ギルガメッシュの指が突きつけられる。
「本来ならば臣たるお前から名乗るのが道理なのだが……まあ、良い。我は寛大だ。存分に名乗るが良いぞ、小娘」
「……。遠坂凛よ」
「して、リン」
 ギルガメッシュは赤き双眸を細めて。
 己を召喚した者の娘を見据えた。
「何用か?」
 最初に感じた恐怖はだいぶ薄らいだのか、凛は警戒しつつもすらすらと答える。
「言峰神父に呼ばれたのよ。電話では語れない大事な用件があるそうなの。貴方、何か伝言されていない?」
「ないな」
「あ、そう」
 またいつもの、神父お得意の悪戯かと、げんなりした凛がきびすを返しかけ――。
「――っ」
 つんのめって、たたらを踏む。
「去っても良いと、我は一言も言っていないが?」
 凛の腕をギルガメッシュがつかんでいた。
 ――綺礼に比べればはるかに華奢な体つきではあるが、結構な馬鹿力らしい。並の男につかまれたくらいで、凛が体勢を崩すことなど滅多にないのだ。武術バカである綺礼を師としている手前、それ相応に修練を積んでいる。
 凛はじとりとギルガメッシュを見上げる。
「……貴方の許可が要るの?」
「無論。それに、言峰ならばふらりと帰ってくるやもしれん」
「数週間か数ヶ月帰って来ないのもざらって、貴方がさっき言ったのよ?」
「そういうこともある。が、泰山に行くだけならば数時間で戻る。――数時間も数ヶ月も、大して差はあるまい?」
「大アリよ。アンタ頭おかしいんじゃないの?」
 ギルガメッシュの顔から表情らしい表情が消える。
 それは、あたかも。
 精巧な一個の彫像のようでもある。
「……あ、ええと……その」
 凛がようやく己の失言に気付いた頃。
「――くッ」
 ギルガメッシュは体を折り曲げ。
「は――ッ、あっはははははははははははははははははッ!」
 こんな愉快なことはないと言わんばかりに、声を上げて笑った。
 凛は驚いて身をすくめる。
「な、何よ。どうしたのよ? さっきのが気に障ったのなら謝るわ」
「いいや、その必要はない。……フフ。成る程、とんだじゃじゃ馬だ。その調子では嫁の貰い手もおるまい」
 笑いを噛み殺すギルガメッシュを、凛は胡乱に眺めやる。
「……余計なお世話よ。というか、笑うところなの、そこ?」
「興が乗った。しばし伽をせよ、リン」
「は!? 嫌よ。わたしは綺礼に用があるのであって、アンタとは何の関係もな――」
 抗議も虚しく。
 凛はずるずるとキッチンに引っ張られて行った。

 目の前には湯気を立てているティーカップと。
 凛が淹れた紅茶を様になった所作で味わう金髪の男。
「……フム。悪くない」
「素直においしいって言いなさいよ」
 凛の軽口を流し、ギルガメッシュは自室のソファにだらしなく寝そべった。
 それを呆れ顔で眺め。
「あの。もう帰って良いかしら?」
 凛はついつい、ギルガメッシュに尋ねてしまう。
 前髪をもてあそびながら。
 ギルガメッシュは口の端を歪める。
「伽をせよと言った」
「……。さっきから思ってたんだけれど、貴方いつの時代のひとなのよ? 今時殿様でもそんな古風な言い回し使わないわよ。ひょっとして時代劇原理主義の過激派か何か?」
「我がどのように話そうと我の勝手であろうが。それと時代劇原理主義とは何だ」
「特に意味はないわよ。気にしないで」
 フン、とギルガメッシュは鼻を鳴らす。
「何でも良いから我を楽しませろ、と言ったのだ。日本人ならばよく日本語を勉強しておけ、戯けめ」
「そんな単語を日常的に使っている日本人がいるのなら、一度お目にかかってみたいもんだわ。……後藤くんあたりならあるか」
 ふと思い浮かんだ同学年男子の顔をぱっぱと手で打ち払うと、凛は組んだ両手の上に顎を乗せた。
「生憎と、ひとを楽しませる術には心当たりがないの。完全に人選ミスだからよそを当たってくれないかしら」
「我は道化の類を所望したわけではない」
 くッとギルガメッシュは笑みを深める。
「それに、面白いか面白くないかは我が決める」
「はあ……。じゃあどうしろって言うのよ」
 ソファに寝そべったまま、ギルガメッシュは凛を一瞥した。
「お前の話をしてみよ、リン」
 凛はぱちくりと目を瞬かせ。
「わたし?」
 自身を指差した。
 ギルガメッシュはそうだと肯く。
「お前の話ならば、或いは我が無聊の慰みになるやもしれん」
 凛はしばらく無言で考え込んだ後。
「……ねえ、それって、面白くなかったらペナルティがあるってこと?」
 今度はギルガメッシュが目を瞬かせた。
「無論」
 凛は苦い表情でこめかみを揉み解す。
「そこは即答なのね……。世の中にはいくらでも面白い物語が溢れてるってのに、なんだってわたしの話なんか……」
 それには取り合わず、ギルガメッシュは矢継ぎ早に問い質す。
「今何をしている? リンは魔術師なのか? 既に魔術師として独り立ちを?」
 核心をついた問いに、凛は刹那言葉に詰まる。
 だが――そうだ。
 この教会に起居している以上、魔道に何らかの関わりを持った者であることは想像に難くない。何より綺礼を“言峰”呼ばわりするほどの人物なのだ。
「……そうよ。冬木の管理者であり、遠坂家六代目当主。十年前に父が死んだから、そのときから。魔術師の一人前の定義って微妙なものだけれど、少なくとも実力だけなら、そんじょそこらの魔術師に遅れは取らないわ」
「大した自信だ」
「当然でしょ。遠坂家当主たるもの、常に余裕を持って優雅たれ、よ」
 ギルガメッシュの表情が僅かに強張ったが、凛は気付かずに続ける。
「魔術とは、そもそも死を意識するところから始まる。覚悟のない者に、魔術師になる資格はない。……まあ、わたしが改めて説明するまでもないことだと思うけど?」
「ふふん。そうでもない。で、お前は十年前、既に覚悟を決めていたということか?」
 凛は、さァね、と投げやりに答える。
「昔のことなんてよく覚えてないわ。だけど、今のわたしはこうして魔術師になっているのだから、おそらく覚悟はあるのでしょうね」
「おいおい。自覚のない覚悟など聞いたことがない」
「だって、そうとしか言いようがないわ。生まれたときから、わたしには魔術師以外の道なんてなかったから。生きることイクォール魔術師であること。覚悟なんて後からついてくる。生きてる限りは避けられないものだから」
「お前のごとき小娘が、いっぱしに諦観を語るか」
「あら。わたしは何も諦めてなんかないわ」
 凛は余裕の笑みを浮かべる。
「ただあるがままを受けいれてるだけ。柔よく剛を制すとも言うわ。それに、死ぬほど気に食わないことだったら、抗って抗って抗い続けてると思うし」
 凛ははるか彼方に視線を馳せ。
 ギルガメッシュはぼんやりと天井を見上げる。
「結局、魔術師という在り方が嫌いじゃないんだと思うわ。わたしは」
「そんなものか」
「そんなものよ」
 凛ははっとして口元を押さえる。
「ちょっと待って。こんな話、本当に面白いの?」
 それには答えず。
 ギルガメッシュは問いを重ねる。
「生まれたときから魔術師以外の道がなかったというのは?」
 ああ、と凛が肩をすくめる。
「わたし、五重複合属性なの。要は全元素扱えるってこと」
 ほう、とギルガメッシュが感嘆らしいため息をつく。
「お前、本当に時臣の子か?」
「失礼ね。わたし、これでも父似よ? ……ギル、貴方、わたしの父を知っているの?」
「ん――まァな」
 言葉を濁したギルガメッシュをそれ以上追及することなく、凛は語り続ける。
「稀有な才能ってのは良いことばかりじゃないわ。嫉妬されるし、敵視されるし、危険視される。でも、どうしようもないことでしょ? 好きでこんな属性を持って生まれたわけでもないし。いつまでも、誰かの庇護を期待できるわけでもないし。だから、自分の身は自分で守らないと」
「大した覚悟だ」
「このくらい普通でしょ」
 それをあっさり言ってのけるか、とギルガメッシュは内心苦笑する。
 あのつまらぬ男から、このような気風の娘が生まれるとは。
 この世は常にギルガメッシュを飽きさせぬ。
 だがなァ、と黄金のサーヴァントは意地悪く笑う。
「聞くところによれば、魔術回路を全て剥ぎ取り一般人として暮らす生もあるとか。魔術師以外に道がなかった、というのは正確な表現ではあるまい?」
 凛は肯く。
「あるわよ。一切の魔道と無縁に暮らす生き方でしょう?」
 そして。
「でも、それは嫌。なんか負けた気がするもの」
 不機嫌顔で腕を組んだ。
 ギルガメッシュは。
 ぽかんと口を開ける。
「……は?」
「負けた気がする。ええと、なんというか……そう、逃げたみたいで嫌なの」
「何と戦っているつもりだ?」
「強いて言うなら、運命みたいなもの」
 凛の確信に満ちた答えに。
 ギルガメッシュは満足そうな顔で肯いた。
「……そうか」
 そして。
 むくりと体を起こして座り直すと、凛を真正面から見据えた。
「運命には誰も抗えぬ。抗ったものの結末は、決まっている――」
「――死ぬ、ってこと?」
 凛は窺うような視線をギルガメッシュに向ける。
「それはまあ、そうかもしれないけど……あくまで一般論じゃない」
 それに、と凛はソファの背もたれに身を預ける。
「魔術は世の理を曲げるもの。死すべき運命だとしても、魔術師だったらそれを回避してなんぼよ。運命を変える力は、己にあるんだもの」
 ふむ、と唸って。
 ギルガメッシュは頬杖をついた。
「して、リンよ」
 値踏みするような赤い視線に、凛は僅かに戸惑う。
「そこまで言い切るお前が、何故聖杯戦争なんぞに参加するのだ?」
 赤と青の視線が真正面からぶつかる。
 既視感を覚えぬことに、ギルガメッシュは内心苦笑する。かつてのマスターとこのように相対したことなど、ただの一度もなかった。
 十年を経て――。
 まるで時臣に語りかけているようだと、ギルガメッシュはぼんやり思った。
 凛は充分過ぎるほど間を置いた後。
 徐に口を開いた。
「もちろん、聖杯を得るのは遠坂の悲願だから」
「――ほう」
 ギルガメッシュの表情が歪む。
 矢張り、この娘も。
 所詮は時臣の子なのだ、と――。
 失望のような、落胆のような、それでいてどこか安堵したような表情のギルガメッシュに。
 凛は。
「っていうのは、建前かしらね」
 あっけらかんと告げた。
「……は?」
「たしかに、二百年も前から遠坂家は聖杯戦争に参加して来たわけだけれど、そんな昔のことに興味はないわ。どうでも良いことだし。大切なのは、その一大イベントにわたしが参加資格を得ているという事実よ」
 ぽかんとしているギルガメッシュには構わず、凛は熱弁をふるう。
「そう、大事なのは、今よ。昔の遠坂家当主がどんなポカをやって聖杯を逃して来たかは知らないけど、とにかくわたしがマスターになるからには、そんな愚かな過ちは繰り返さない」
 ぎゅっと拳を握った凛は。
「わたしは、勝つために参加するの。二百年越しのケンカだもの。圧倒的な勝利で幕を引くことは、きっとわたしにしか出来ないから」
 自信に満ちた笑みを、ギルガメッシュに向けた。
「……納得してもらえた? というか、なんでこんなこと訊くのよ。綺礼に訊けッて言われたの?」
 ギルガメッシュはくつくつと肩を震わせながら、否と答えた。
「個人的な興味だ。……成る程。そうか」
 そして。
 瞳に信じられないほど穏やかな光を宿して、凛を見返した。
「お前は、お前であるということか……フム。悪くない」
 凛はきょとんとする。
「へ? ……あァ……まあ、お気に召したのなら良いけど」
 すっかり上機嫌になったギルガメッシュが冷めた紅茶を飲み干す。
 凛はじっとその様子を眺め。
 不意に。
「……ねえ、ギル」
「ん?」
 脳裡によぎった疑問を口に出した。
「貴方……聖杯戦争を知っているのよね? 綺礼の……教会の関係者、なのよね……? それとも協会の? 聖杯戦争目当てで冬木に来ているのなら、どっちでも大した差はないのかもしれないけど」
 ギルガメッシュは無駄のない動作でティーカップをソーサーに戻す。
「どちらでもない」
「そ――っ、そうなの」
 赤い瞳からは既に穏やかな光が失われ。
 代わりに彼らしい傲岸な色が黄泉還っていた。
「言峰とは個人的な付き合いだ。長くもないが短くもない。……聖杯戦争がらみではあるがな」
「前回の、聖杯戦争で――?」
 マスター同士だったのか。
 或いは協力者として知り合ったのか。
 尋ねることは容易いはずなのに、何故か凛はためらった。
 その様子を。
 ギルガメッシュは満足そうに眺めると。
「そうだ。前回の聖杯戦争において、我は言峰と知遇を得て、今に至る」
 前回の聖杯戦争は十年前。
 言峰綺礼以外に十年前を知るものに、凛は初めて出会った。それ故に、ほとんど反射的に――。
「お願い。教えて。前回の……十年前の聖杯戦争について、貴方の知っていること」
 ギルガメッシュは自然に浮かぶ笑みを噛み殺し。
 あくまで淡々と凛に告げる。
「どうやら我とお前は浅からぬ縁があるようだ。ここでこうして出会ったのがその証拠であろうな。故に、答えることは吝かではない」
 ただし、とギルガメッシュは人差し指を立てる。
「質問は一度きりだ。かように寛大な処置は前代未聞であるぞ。問いはよく吟味した上で――」
「ひとつで充分。わたしの知りたいことはひとつだけだもの」
 ギルガメッシュの怪訝そうな表情に、凛は畳みかける。
「知っているなら、教えて。知らなかったらそれで良いから」
 問うべきでないと、理性は警告している。そんなことを今更知ったところで何も変わらないのだから、無意味であると――。
 それでも。
 凛は、何のためらいもないかのように、問いを言葉にした。

「遠坂時臣は、誰に殺されたの?」

 知らなければ良い。
 答えてくれなければ良い。
 凛の矛盾だらけの心中を見透かしたように。

「言峰だ」

 あまりにもあっさりと。
 ギルガメッシュは答えた。
「……う、そ」
「嘘ではないさ」
 尊大に足を組みかえるギルガメッシュとは対照的に。
 凛は震える己の体を抱き締めた。
「だって……綺礼は、父さんの弟子だったのよ……?」
「弟子が師を殺すことなど、魔術師の間では珍しくないと聞いたがな」
「……裏切り者」
 凛は音もなくソファから立ち上がり、扉に駆け寄る。
 ドアノブを握った凛の手首を。
 いつの間にか側に立っていたギルガメッシュがつかんでいた。
「……放して」
「我の赦しもなく退去すると?」
「放して」
 冷え冷えとした声と射抜くような視線に、ギルガメッシュは笑みを深める。

「――殺してやる」

 少女のものとは思えぬ暗い響きに。
 ギルガメッシュは腹をかかえて哄笑した。
 ひとしきり笑うと――。
「それは不可能だ」
 ぐい、と凛の体を引き寄せ、青い双眸に映る己の姿に目を細める。
「お前に言峰は殺せん。アレはな――そもそも、既に死んでいるのだ。死人を殺せる道理はあるまい」
「――関係ない」
 凛の双眸はギルガメッシュを映していても、かのものを見ているわけではなかった。
「動いているのなら、息の根を止める余地はある。死んでいるなら、屍に鞭打つだけ」
「伍子胥気取りか? たかが小娘に過ぎぬお前が――」
「殺してやる……ッ」
 凛がどれだけもがこうと、ギルガメッシュの拘束が緩むことはなかった。
 それは、まるで。
 大蛇が獲物を絞め殺すときのような――。
「それほどまでに、時臣の仇が討ちたいのか?」
 ぞっとするほど優しげな口調で、ギルガメッシュが囁く。
「ならば、もうひとつ――良いことを教えてやろう」
 身をすくめる凛の耳元へ口を寄せて。
 毒のような言葉を注ぎ込む。
「時臣を殺すように仕向けたのは、この我だ」
 ギルガメッシュの腕の中で、凛は瘧に罹ったように震える。
「なん、で……」
「時臣は前回の聖杯戦争において我をサーヴァントとして召喚した。我のマスターだった」
「――ッ」
 凛は驚愕と共にギルガメッシュを見上げる。
 ――サーヴァント。この男が?
 ――何故、前回のサーヴァントが、
 ――この男が、
 ――父のサーヴァント?
 思考はまとまることなく。
「なん、で……」
 凛がようやく搾り出したのは、意味のない言葉。
 問うべきことは無数にあるはずなのに。
 唯一言葉に出来た問いは。
“何故”。
「なんで……父さんを……」
 サーヴァントがマスターを殺したところで、自分も現界を保てなくなるのがオチだ。
 ――否(いや)。
 マスターとなるべき者は。
 マスターとなり得る者は。
 常に、この男の側にいた――。
「父さんを見限って、綺礼を選んだというの……?」
 ギルガメッシュは無表情に凛を見下ろした後。
 肯定を意味する笑みを浮かべた。
「嘘……」
 凛は呆然と。
 青い瞳から一筋の涙を流した。
「そんな、馬鹿馬鹿しいことって、ないわ……自分のサーヴァントに、そんな……令呪は……?」
「使う暇も無く殺すことなど、言峰には容易かろう。……そも、刃に心臓を貫かれるその瞬間まで、時臣は言峰に殺されたことすら信じられぬようであった。あれは本当に、おめでたいほど言峰を信用しきっていたからなァ」
 凛の体から力が抜ける。
「――真実とは、かくも残酷なものであるな?」
 それは。
 凛に向けられたものか。
 今は亡き魔術師に向けられたものだったか――。
「そして、真実を知ることには」
 ギルガメッシュの舌が。
「代償がつきものだと決まっている」
 凛の涙の筋を辿った。
 そして。
 半ば開いたままの凛の唇を、無造作に奪った。
「――」
「……っ……」
 みつめあったまま。
 そっと唇を離す。
 青い瞳からは最早、雫はこぼれていなかった。
「どう、して……?」
 それはあまりに純粋な問い。

 ――どうしてキスしたの?

 あくまで理由を知りたがる少女に対して。
 王は気前良く答えを示す。
「時臣は自ら、我の臣だと申したぞ?」
 囁く声音はとろけるように甘い。
「臣下とは王の所有物――されば、臣下の子も王のものだ」
 この男の言葉は。
「お前が時臣の娘であるのなら」
 甘い毒だ。

 ――お前は我のものだということだ。



 礼拝堂の重苦しい闇の中に、その男は居た。
「もう戻って来たのか、言峰」
 言峰綺礼。
 神父にして魔術師である、言峰教会の主。
 サーヴァントの不機嫌顔を一瞥し――。
 綺礼は暗い笑みを浮かべた。

「――凛を抱いたか」

 ギルガメッシュは苦言を呈することすら忘れ、〝共犯者〟の後頭部をみつめる。
 言峰綺礼をマスターとしてから十年――この男は全く変わっていないようで、すっかり変わってしまったのかもしれぬ。
 反応がないのを奇異にとったのか、綺礼は再びギルガメッシュに視線を向けた。
「凛とパスを繋いだことで、私との契約は切れたようだな。おまえも既にわかっているかとは思うが」
「言われるまでもない」
 前回の聖杯戦争が終わった時点で言峰綺礼は死んでいる。
 ただ。
 ギルガメッシュとの契約だけは活きていた。
 結果として、聖杯の泥を飲み干して受肉したギルガメッシュから、マスターへと、泥の〝呪い〟が逆流した。故に、綺礼は〝呪い〟によって生かされている。仮初めの心臓を得た、泥人形として。
 だから、現在の言峰綺礼は。
 聖杯――というより、件の性悪な呪詛の塊――と直結しているようなものである。ギルガメッシュに供給できるような魔力はなく、令呪の縛りこそあるが、ふたりの間にとってそれは使わぬという暗黙の了解のようなものがあった。
 マスターとサーヴァントと言うのもおこがましいような関係である。
 ただ――。
 聖杯戦争のルールに則った契約だけは、絶対である。
 サーヴァントがマスターと認める限り。
 マスターがサーヴァントと認める限り。
 契約は有効である。
 それを、今宵。
 ギルガメッシュは一方的に破棄した。
「お前の思惑としては、我に時臣の娘を殺させたかったのだろうし――実際我もそのつもりでいた。そもそも、我が十年待ち望んだのはあんな小娘ではなく、我が妃と見初めた女ただひとりだからな。だが」
 知っていると言わんばかりに、綺礼は肩をすくめた。
「気が変わった」
「そのようだな」
 静かに肯く綺礼とは対照的に。
 ギルガメッシュは胸を反らせる。
「アレは我が所有するに値する。……時臣には過ぎた宝であったな」
「そうかもしれんな」
 ふと。
 ギルガメッシュは言葉を止め、まじまじと綺礼を見返した。
「……お前、ここまで見越していたのか?」
「いいや。私はただ、おまえがどんな決断を下そうとそれが驚くに値しないということを知っているだけだ」
「フン。お前らしいな」
 して、言峰――と馴れ馴れしく綺礼の肩に手をかけたギルガメッシュが赤い瞳を細める。
「お前は今十年を経て、お前のものではないサーヴァントと同室しているわけだ。これは大層な窮地ではないか?」
「そうでもないさ」
 十年越しに繰り返された遣り取り。
 綺礼の澱んだ瞳に確信の灯が宿る。
「凛が監督役である私を殺す動機がない」
「よく言う。お前はアレの父の仇であろうが」
「それを言うなら、おまえも同罪だ。そして、おまえが凛に殺されていないということは、彼女に仇討ちをする意図がないということ――違うか?」
「違うな。アレはお前を憎んでいる。我のことも同様に」
「――ギルガメッシュ」
 やんわりと肩にかかっている手をどけて、綺礼はサーヴァントを見上げた。
「おまえはつくづく歪んでいる」
「お前に言われる筋合いはない」
 顔を見合わせた元主従は。
 くっと同時に笑みを零した。
「おまえに譲るのは少々名残惜しいが、まあ仕方あるまい。私は十年分愉しんだしな。後はおまえの好きにすれば良かろう」
「そうさせてもらう。それに安心せよ。“監督役”たるお前を殺すことなどない。お前はお前の望みを叶えると良い」
 それは実にあっさりとした訣別。
「あァ、そうだ――」
 きびすを返し去ろうとしたギルガメッシュを、綺礼が呼び止めた。

「間桐桜にはもう会ったか?」

 何かに引っ張られたように、ギルガメッシュが足を止めて振り向く。
「マトウ、サクラ?」
 ――誰だ。
 誰だ、それは。
 俯いた綺礼は笑っているようだった。
「興味のないことに対してとことん無関心でいられるのは、おまえの長所であり短所なのだろうが――十年前、おまえの戯れに付き合って全てのマスターについて調べたことがあったろう。バーサーカーのマスターで、間桐雁夜という男が居た」
 ギルガメッシュは無言で先を促す。
「その男の戦う意味――夢とか希望とか、そういう滑稽な大義名分を背負わされた、哀れな少女のことだよ」
 マトウ。
 マトウ――。
 そういえばそんな名を聞いたような気がしなくもない。
 ギルガメッシュはくッと皮肉げな笑みを口の端に刻む。
「娘なのか?」
 綺礼は首を横に振る。
「戸籍上では姪だ。義理のな」
 ギルガメッシュが問い返す前に。
 綺礼は致命的な手札を明かす。

「間桐桜は時臣師の次女だ。即ち、凛の実の妹だ」

 ――魔術師にとって二子は不要だ。
 ――魔術回路を全て剥ぎ取り一般人として暮らす生もある。だが、時臣師にはそんな生き方が許容できなかったのだ。あのひとは骨の髄まで魔術師だからな。
 ――形骸化した盟約とやらを口実に間桐家に養子にやったのだが……長年いがみ合っている家の娘を継嗣になどするものかね? 胎盤として使い捨てられてそれで終わりだろう。彼女には禅城の血も流れているわけだからな。
 ――苦肉の策というより、思考放棄してしまったのだろうな。時臣師は。実際、己の聖杯戦争だけで頭がいっぱいだったのは確かだ。
 ギルガメッシュは不意に理解する。
 自身が凛に語ったあの内容は。
 かつて綺礼が語った話から脳が勝手に抽出した断片。
「どうやら、彼女にも令呪が宿ったらしい」
 それは、あまりに。
 皮肉な運命ではないだろうか。
「遅かれ早かれ戦うことになるだろうな――あの姉妹は」
 それには応えず。
 ギルガメッシュはぷいときびすを返した。
「――どこへ行く?」
 それにも応えず。
 ギルガメッシュは礼拝堂の扉を勢い良く開いた。
「達者でな」
 時臣の馬鹿がどんなヘマをしようと。
 その娘たちがどれだけの苦悩を抱えていようと。
 そんなことは知ったことか。
 ただひとつ、確かなのは。

 ――仕切り直しだ。

 十年越しの決着は、この手でつけねばなるまい。


to be continued...

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